活動報告
2025.3.25

【開催報告】北大関西同窓会 2025年3月三金会(2025年3月21日開催) 

3月の三金会は、九州大学名誉教授の石野良純先生をお迎えして、「CRISPRの発見、機能解明、そしてゲノム編集技術へ」というタイトルで、ご講演いただきました。
石野先生は、2020年にノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術、「CRISPR-Cas9」の基礎となった遺伝子配列「CRISPR」を発見した人で、北海道大学で薬学博士を授与されたことから北大関西同窓会の会員になっていただき、今回の三金会でご講演いただきました。
CRISPR-Cas9はバクテリアやアーキアが、ウイルス(ファージ)やプラスミドのような細胞外から侵入してくる遺伝物質(核酸)から自分の身を護るための生体防御システムであり、原核生物の獲得免疫系で、この作用機構を利用して、ゲノム上の特定部位を狙って人工的に二本鎖切断を起こすことによるゲノム編集技術が開発されました。この方法はそれまでの技術に比べて画期的に簡便で高効率であったことから、CRISPRを利用した実用的なゲノム編集技術が急速に普及しました。
石野先生は阪大薬学部を修了されたあと、宝酒造中央研究所に就職され、宝酒造社員のまま、阪大微生物研究所で研究を続けられ、そこでの研究が「CRISPR」を発見に繋がりました。その後北大で博士を取得され、エール大学でポスドク研究員として留学されました。帰国後、宝酒造バイオ研究所主任研究員、生物分子工学研究所主席研究員を経て、九州大学農学部教授を約20年間務められました。
たいへん難しい話を非常にわかりやすく、しかも短い時間でお話しいただき、そのあと、北大関西同窓会の仲間と懇親し、恒例の「都ぞ弥生」を肩を組んで歌いました。

 

 

 

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